法人銀行口座開設の問題点

いつ法人銀行口座が必要か

ドイツで大多数を占める会社形態である有限会社の設立には、設立時の出資金の振り込み口座が必須です(有限会社の場合は 25,000 € 以上の基本出資金を振り込んでオープニング・バランスとして記録する)。しかし、昨今では法人用口座を開設するのが年々難しくなってきています。

(ご参考「ドイツ会社設立の手続き」

なぜ法人口座の開設は難しいのか

まずマクロ的な問題として、①マネーロンダリング対策と、②マイナス金利のマクロ経済環境があります。そのため、銀行側としては大きなビジネスになる期待のない口座は極力抱えたくない状況になります。

それに加えて、日系企業の場合は代表者がドイツ語でコミュニケーションできないというのが、実務上かつコンプライアンス上の障害となって、口座開設を拒否されることが頻繁に起こっています。

どの銀行で口座開設を目指すか

口座開設をお願いする銀行の種別としては、以下のようになります。日本企業でメガバンクが日本親会社のメインバンクになっていると有利なように見えますが、昨今では邦銀さんも泣く泣く口座開設をお断りすることが多いようです。

  • 邦銀のドイツ支店
  • 一般の銀行(ドイチェバンクコメルツバンクなど)
  • 各地の有力地銀(ドイツでは地銀の評価は相対的に高くなっています)
  • ネットバンク(N26ペンタなど。簡単なようですが、各社ごとにNG要件があるので注意)

法人口座開設・解決策

解決策は以下の通りになります。仮にも資金を預金する側になるので銀行にとっては顧客のはずですが、このマクロ環境では仕方がありません。クライアントの皆様には、それ相応の準備をしていただいています。

  1. 複数の銀行に同時にアプローチする(実際にオープニング・バランス用以外にも、口座は複数必要になるはずです)
  2. 現地代表者だけでなく、会社オーナー情報を全て揃える(日本にいる場合はアポスティーユつきで揃えます)
  3. プレゼンテーション資料も用意する(内容は銀行審査向けであって、いわゆるビジネスプランとは違います)

これだけ準備しても一行も開けなかった場合のために、奥の手を4オプション揃えておりますので、安心してお任せいただければと思います。

具体的な口座開設のプロセスについては、「法人銀行口座開設の手続き」をご参照ください。)

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