有限会社の多いドイツ

有限会社が大多数を占めるドイツの経済社会

ドイツは有限会社 (GmbH) がもっとも多く使われる会社形態です。

持分(株式会社における株式)を流通させたいのでない限りは、社会的信用の面では有限会社で十分、というのが一般認識です。

(ご参考「ドイツ有限会社の特徴7点」「ドイツ現法4つの会社形態

ドイツ有限会社の魅力(株式会社より少額資本で組織も簡素)

有限責任でかつ原則 25,000 ユーロ以上の出資金を積むことで設立できますが、これは株式会社 (AG) の 場合の 50,000 ユーロよりも少なく、かつ監査役会が不要であったりと比較的簡便です。たしかに株式会社のような持分(株式)の流動性はないものの、株式会社に準ずる信用を得られる、利用度の高い会社形態であるとされています。

実際の数の比較(ドイツではこれだけ多い有限会社)

さて、その数ですが2019年の政府統計によると、ドイツの有限会社は約55万社。法人の9割をも占めます(ただし、合資会社 KG や民法上の組合 GbR など、法人格を有さない人的会社という形態も一定数あります)。それに対して株式会社は 7600 社しか存在せず、有限会社の数は実に70倍以上多い比率になります

一方、株式会社中心と言われる日本では、法務省の古い統計によると、有限会社が136万社に対して、株式会社が108万社と、1.3 倍にも満たない差でほぼ同数と言ってよいでしょう。日独でこれほどの違いがあるのです。

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