地方分権国家ドイツ・16の州による連邦制
ドイツは連邦国家で、正式な国名はドイツ連邦共和国 (Bundesrepublik Deutschland) になっています。日本で提唱されることのある「道州制」のモデルにも使われています。
中央の連邦政府に対して、各州もある程度独自の権限をもっていて、州ごとに政策の違いが見られます。中央の連邦政府が受け持つのが外交や軍事で、地方の州政府が受け持つのが教育や警察というのが、よく言われる役割分担です。
コロナウイルスの感染症対策の初期では、メルケル首相と各州知事による会合で国の基本対策を決定していました。これが国策と州レベルの政策とがオーバーラップする領域だったのでしょう。
州は全部で16ありますが、ベルリン・ハンブルグ・ブレーメンの3都市は州に数えられます。それぞれ個性があり国全体としての多様性に寄与しているとされています。(ご参考・ドイツ大使館サイト「16の連邦州」)
地方分権国家ドイツ・具体的に州ごとに違うもの
では、具体的に州が独自で決定し、州により相違があるものには、どのようなものがあるのでしょうか?
- コロナウイルス対策: 感染状況が州によって違うので当然かもしれませんが、ワクチン未摂取者の行動制限、集会やスポーツ可能人数、飲食店の開店時間・アルコール提供の可否など、州ごとに決定されています。
- 祝日と長期休暇: 祝日は基本的にカトリックの地域で多め、プロテスタントの地域で少なめです。学校の長期休暇(春、夏、秋、冬)はバカンスのピークをずらすのに機能しています(参考サイトはこちら。よく休む様が見てとれます)。
- 各種業法: 業界によって州ごとに規則が違うことがありますが、たとえば不動産売買手数料は週によって料率や支払い手が変わってくるので、注意が必要です。
地方分権国家ドイツ・主要都市の個性も見逃せない
以上は連邦制の下では州が大きな権限を持っているという解説でした。
しかし、ドイツに進出・起業する上で見逃せないのが、都市ごとの個性の違いです。首都はベルリンなのに、ミュンヘンやフランクフルトなど、首都をしのぐ機能と特色を持つ都市がいくつもあります。
これは別ページで紹介したいと思います。