GmbH i.G. という状態

GmbH i.G. とは何か

ドイツで主流の会社形態である有限会社ですが、設立の途中で GmbH i.G. という形態になります(例: Nippon Motors Europe GmbH i.G.)。

“i.G.” とは “in Gründung” の略で、設立中という意味です。そのため日本語では「設立中の会社」と訳されます。

日本語での実務では、「ゲーエムベーハー・イン・グリュンデュング」とフルネームで読んだり、i.G. の部分のドイツ語アルファベットで「イーゲー」と呼んだりしています。

ポイントは、「設立中」すなわち登記完了前でありながら、すでに会社の名前で(i.G. をつけて)活動を行うことができるということです。

ただし、登記前の間は法人格がまだないため、責任は代表者(取締役)に帰属し、登記後に改めて会社に引き継がれます。

いつから GmbH i.G. か

会社の名前で(i.G. をつけて)活動を行うことができる GmbH i.G. ですが、いつからその状態になるのでしょうか?

それは、定款・設立証書、登記申請書に公証人オフィスにて署名した後からです。

登記が完了した後には、”i.G.” がとれて、普通に GmbH と名乗れますドイツで主流の会社形態である有限会社設立の途中で GmbH i.G. という形態になります(例: Nippon Motors Europe GmbH)。

(ご参考「ドイツ会社設立の手続き」

GmbH i.G. で可能なことの具体例

それでは、GmbH i.G. (設立中の会社)になってから、具体的にどのようなことができるのでしょうか? 実際によく行われることの例をお示しします。 

  • 従業員の採用(日本からの従業員のビザ申請を含む)
  • オフィスや店舗の賃貸契約
  • 銀行口座開設(むしろ基本出資金払い込みのため必須)
  • (お勧めしないがオープニングバランス提出後には)GmbH i.G. 名義での支出が可能

(おまけ)豆知識

逆に解散を決めて精算を開始した後の状態を GmbH i.L. と言います。L は Liquidation で精算を意味し、日本語では「精算中の会社」と言われます。

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